おいしいを感じる言葉
Sizzle Word 2021

私たちは、おいしいモノを食べた時、そのおいしさの感じをどういう言葉にしているのでしょうか。いま、おいしさを表現する言葉には、どのような言葉があるのでしょうか。

「おいしそう」「食べたい」「飲みたい」と感じ、飲食欲を反射的に喚起する言葉を“シズルワード”と呼んでいます。

“シズルワード”には､「もちもち」「ジューシー」「とろける」「濃厚」「うまみ味のある」「贅沢な」「揚げたて」「焼きたて」など、さまざまな言葉があります。

2003年から継続的に調査を行ってきました。おいしいを表現する言葉の変化を知っていただくために、『おいしいを感じる言葉 SIZZLE WORD 2021』の調査結果の一部をご紹介します。

シズルワードを大きく3つにわけています。

• ひとつは味覚・嗅覚に関わる“味覚系”
• ふたつめは、触覚・聴覚に関わる“食感系”
• 3つめは、感覚ではなく知識や認知にかかわる“情報系”

この3表現に分けます。

調査を行った各分野の具体的な言語表現は調査概要をご覧ください。

味覚系、食感系、情報系、
3表現のそれぞれのシズルワードのランキングは
次のようになります。

味覚系の1位は「うま味のある」、
次いで2位「コクのある」、3位「濃厚な」です。
4位以下「味わい深い」「風味豊かな」「やみつきになる」が続きます。
”濃淡”でいうと、味覚系上位のシズルワードは、「濃」「深」「豊」「病み」など、“濃”系の文字を使った言葉になります。

食感系の1位は「ジューシー」です。
2位「もちもち」3位「もっちり」は、“もち”系の擬態語です。
4位「とろける」も擬態語ですが、5位「サクサク」は擬音語です。
食感系シズルワードのほとんどは、人の感覚を感覚のまま表した擬態語や擬音語です。

情報系の1位は「贅沢な」、
2位は「揚げたて」で、4位と6位は「焼きたて」「炊きたて」、
2位「揚げたて」と同じ調理し“たて”の表現です。
7位「新鮮な」は、食材の鮮度です。
情報系のシズルワードは、食材の鮮度や調理したてなどの“新しさ”に関わる言葉が上位を占めています。
ですが、8位9位は、新しさとは逆の価値を表す「完熟の」「熟成した」が入ってきます。

味覚系・食感系・情報系のシズルワード TOP 10

味覚系（63語）

食感系（61語）

情報系（63語）

味覚系、食感系、情報系
の3分野を合わせたランキングをみます。

1位は味覚系の「うま味のある」で、
2位が食感系の「ジューシー」です。

3位と5位が味覚系で「コクのある」「濃厚な」が続き
4位と6位が食感系で「もちもち」「もっちり」が続きます。

情報系は7位「贅沢な」、10位「揚げたて」、
11位に「絶品」が入ります。

3表現を合わせたトップ20

※2006年から2021年まで全年度で使用された言葉がランキング比較対象
（味覚系63語、食感系61語、情報系63語）

2006-2021　長期時系列の変化

この調査は、2003年から行ってきましたが、
ここでは2006年から2021年までの
15年間の長期的な変化を5年間隔、
トップ20のランキングでみます。

味覚系：「やみつきになる」がアップ

2016年から2021年の5年間、
味覚系で大きく順位アップしたのは「やみつきになる」です。
一方、味覚系トップ3の「うま味のある」「コクのある」「濃厚な」のうち、
2016年まで順位アップの「濃厚な」が、2021年はわずかに順位ダウン。

食感系：「もっちり」がアップ、「もちもち」に迫る

2006年から2021年まで着実に順位アップしたのは「もっちり」。
「もちもち」は、2006年から食感系のトップを「ジューシー」と分け合ってきましたが、ここ数年、勢いは衰え気味、「もっちり」に追いつかれています。

情報系：「贅沢な」が急アップ

2016年になって、トップ20に登場した「贅沢な」「絶品」が、2021年にさらに順位アップです。
とくに「贅沢な」は、2011年の41位から2021年は7位と、ここ10年急アップです。

ランキングの変化：長期（2006～2021）トレンド

※2006年から2021年まで全年度で使用された言葉、187語がランキング比較の対象。
（味覚系63語、食感系61語、情報系63語）。
※対象者の構成は、15-59歳の男女（N＝1350人）。