
はじめに
食べ物や飲み物のベースになる風味や味は数多くあります。
スナック菓子や清涼飲料の風味、料理の味付けや調味料などを‶フレーバーテイスト”と呼び、どのようなフレーバーテイストが好まれているか、明らかにします。
消費者調査
『好きな風味・素材:フレーバーテイスト』です。
全国の一般の男女を対象者にして、250余りのフレーバーテイストの飲食意向を調査、2006年から行ってきました。
ここでは時系列分析の短期(2018年~2022年)を中心に調査結果をご紹介します。
フルーツ・野菜系の意向
「シャインマスカット」がアップ
「桃」「みかん」がダウン
フルーツ・野菜系フレーバーテイストで、意向が最も高いのは「いちご」、次いで2位「シャインマスカット」、3位「マスカット」です。この「マスカット」はほぼ「シャインマスカット」を指していると言えます。
4位は同じぶどうの「巨峰」、5位「桃」、6位「白桃」と続きます。”桃”では「黄桃」は24位と低く、「桃」はほぼ「白桃」を指していると言えます。
大きなカテゴリーで順位をみると、「いちご」、「シャインマスカット」と「巨峰」の“ぶどう”、次いで「桃」の順、トップ3です。
続いて、「りんご」「オレンジ」「パイナップル」「みかん」となります。
フルーツ・野菜系のランキングは、「シャインマスカット」の順位アップで大きく変化しています。「マスカット」のアップも「シャインマスカット」の動きに含まれていると言えます。
フルーツ・野菜系のトップは、ここ数年、「いちご」か「桃」でした。そのうち、「いちご」は一位を維持していますが、「桃」は「シャインマスカット」「巨峰」に抜かれ、順位を落としています。また、「みかん」もダウン傾向にあります。
フルーツ・野菜系の意向 トップ20
ランキングの変化:2018~2022
「シャインマスカット」は「ぶどう」を超え、
「あまおう」は「いちご」に迫る
フレーバーテイストのアイテムはカテゴリーを表す普通名詞を原則としています。認知が浸透している「品種名」も調査しています。
品種名がカテゴリー名を上回って浸透しているのが、“ぶどう”です。なかでも 「シャインマスカット」「巨峰」は、「ぶどう」「白ぶどう」「赤ぶどう」という普通名詞よりも高い意向があります。品種名の認知がカテゴリー名から自立して広がっていると言うことができます。
そのため、「シャインマスカット」「巨峰」は、普通名詞のように使われていると考え、フルーツ・野菜系のアイテムに入れ、ランキング表などで使っています。
「品種名」が浸透して、認知が高いフルーツ・野菜には、他に、”いちご“や”さつまいも“があります。
“いちご”は、「あまおう」「とちおとめ」 が抜きんでて高く、「あまおう」は「シャインマスカット」よりも高い意向があります。品種名では最大の意向です。ただ、「あまおう」は「いちご」よりも低く、“いちご”というカテゴリー名を超えてはいません。
「いちご」は品種によって多様化しているが、カテゴリー名は明確な輪郭をもって認知され続けています。
フルーツ・野菜系の「普通名詞」と
「品種名」による意向の違い
洋風系の意向
「バニラ」がトップ維持
「キャラメル」「モッツァレラチーズ」が
順位アップ
洋風系アイテムで意向が最も高いのは「バニラ」、2018年から洋風系のトップを続けています。
次いで2位は乳系の「生クリーム」です。
「生クリーム」 の他に、”クリーム”がついたアイテムがトップ20に3つあります。6位「チョコクリーム」、12位「クリームチーズ」、18位「キャラメルクリーム」です。
3位は「ミルクチョコレート」です。
同じ”チョコ・ココア” 系では「ミルクチョコレート」に次いで、6位「チョコクリーム」、 8位「ココア」、13位「ビターチョコレート」、17位「ホワイトチョコレート」がトップ20入りです。
4位は「キャラメル」です。「キャラメル」は2019年に比べて大きく順位アップしています。
7位は「カフェラテ」、10位「カフェオレ」です。
9位は「モッツァレラチーズ」、2019年から大きく順位アップです。チーズは他に、12位「クリームチーズ」、20位「カマンベールチーズ」があります。
洋風系の意向 トップ20
ランキングの変化:2018~2022
和・エスニック系の意向
「カレー」がトップに
「明太子」「ごま油」「にんにく」が順位アップ
和・エスニック系アイテムで意向が最も高いのは「カレー」です。2018年から2021年まで、和・エスニック系のトップは、「はちみつ」でしたが、今回、「はちみつ」は5位、大きく順位ダウンしました。
2位は「明太子」。「明太子」は昨年大きく順位アアップして2位、今年も2位を維持しています。
3位は「きなこ」、4位は「抹茶」です。
同じ和スイーツ系の餡の「こしあん」は11位、「つぶあん」」は14位。ともに、ダウン傾向です。
6位には「ごま油」、7位「にんにく」、9位「海苔」。いずれも順位アップです。
和・エスニック系の意向 トップ20
ランキングの変化:2018~2022
調査概要
調査方法 | インターネット調査 |
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対象者 | 15~69歳男女 |
調査期間 | 2022年5月13日(金)~5月19日(木) |
サンプル数 | 1,800人 |
調査地域 | 全国 |
調査したフレーバーテイストのアイテム | 261アイテム フルーツ・野菜系:101、 洋風系:81、 和・エスニック系:79 |
商品仕様
報告書 | 1冊(110頁) |
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データCD |
報告書PDF クロス集計表(エクセル) 時系列データ(エクセル) |
価格 | 110,000円(消費税込) |