おいしいを感じる言葉
Sizzle Word 2026

おいしいモノを食べた時、おいしさをどう感覚し、
どういう言葉として知覚し、記憶しているのでしょうか。
いま、どのようなおいしさを表現する言葉が
使われているのでしょうか。

「おいしそう」「食べたい」「飲みたい」という欲求を
喚起する言葉、おいしかった感覚を覚えておく言葉、
おいしい感覚を表現する言葉を
“シズルワード”と 呼んできました。

“シズルワード”には、「もちもち」「ジューシー」
「とろける」「濃厚」「うま味のある」「贅沢」
「揚げたて」「焼きたて」など、 数多くの言葉があります。

2003年から継続的に調査を行ってきました。
シズルワードの現在の姿とその変化を知っていただくために、
『おいしいを感じる言葉 SIZZLE WORD 2026』
の調査結果の一部をご紹介します。

シズルワードの4つの表現

“シズルワード”とは
食に関わる修飾語で、単語や簡単な字句のことです。
「もちもち」「ジューシー」「とろける」「濃厚」
「うま味のある」「贅沢」「揚げたて」など、
数多くの言葉があります。

シズルワードは大きく4つの領域にわけています。

  • 味覚系:味覚・嗅覚に関わるワード
  • 食感系:触覚・聴覚に関わるワード
  • 情報系:食材・調理・製法・流儀に関わるワード
  • 感情系:情緒・気分・エモーションに関わるワード

味覚系、食感系、情報系の3領域で2003年から調査してきました。
そして、2020年から感情系を加えた4領域で行っています。

3領域のランキング

味覚系

「ダシの効いた」「うま味のある」「コクのある」
が味覚系のトップ3

味覚系の1位は「ダシの効いた」です。

続いて、2位「うまみのある」、3位「コクのある」が
トップグループに並びました。
4位「コクうま」、6位「コク深い」、9位「極うま」と、
〈うま〉〈コク〉を組み合わせた〈うま〉〈コク〉ワードが
トップ10の過半数を占めています。

〈うま〉〈コク〉に並ぶワードとして、
5位に「やみつきになる」がTOP10にランクイン。
その下に同じ、感覚によって脳の働きでおいしさを感じる言葉で
13位「クセになる」、15位「飽きのこない」も入りました。

7位「濃厚」、8位「味わい深い」の〈濃〉系もトップ10入り。
同じ〈濃〉系ではその下に、
12位「深みのある」、18位「しみ込んだ」が入ります。

10位「美味」、17位「フルーティ」は英語・漢語由来のワード。

11位「香ばしい」、14位は「風味豊か」、19位「香りのよい」、
20位「口に広がる」の嗅覚に関わる言葉もトップ20にランクインです。

味覚系シズルワード トップ20

食感系

「ジューシー」「もちもち」「サクサク」
が食感系のトップ3

食感系の1位は「ジューシー」です。
「ジューシー」は肉汁が溢れるなど、
汁や液体の動きや広がりを楽しむ感覚です。

〈じゅ〉という音感のつながりでは、
焼ける様子や汁気の広がりを表す16位「じゅわっと」も
上位にあがってきていて、〈じゅ〉が使われる言葉の料理や食べ物、
意味する感覚は広がっています。

食感系の中心であるオノマトペは、感覚をそのまま言葉にしたもので
擬音語と擬態語に分けられます。

2位「もちもち」、4位「もっちり」、9位「もちっと」の
〈もち〉系擬態語がトップ10にランクイン。

3位「サクサク」、8位は「サクッと」は擬音語の〈さく〉系です。

オノマトペでは、上記〈もち〉〈さく〉 の他に、
7位「とろける」、10位「とろーり」、20位「とろとろ」の〈とろ〉系擬態語、
〈ふわ〉〈とろ〉の複合語で12位「ふわとろ」、
擬音語の15位「カリッと」、19位「シャキシャキ」も上位です。

12位「ほくほく」、14位「こんがり」は、温冷感を表す擬態語。

7位「ふわとろ」のように、
2つの言葉を組み合わせた〔複合語〕もあります。

オノマトペ以外では、身体の部位を使った言葉もあります。
〈口〉の「口どけのよい」が5位、
〈腰〉の「コシのある」が18位に入っています。

その他に、英語由来の「クリーミー」が6位、
モノの硬さや柔らかさなどの物性を表す「なめらか」が13位
に入りました。

食感系シズルワード トップ20

情報系

「季節限定」「贅沢」「国産」
が情報系のトップ3

素材・製法・流儀など、
食材や調理に関わる言葉が情報系です。

情報系の1位は「季節限定」です。
食材や素材の新しさ、季節が限定されることの価値を表す言葉で、
他に、4位「鮮度のよい」、11位「新鮮」、15位「完熟」、
16位「とれたて」、18位「旬の」がトップ20にランクイン。

続いて、2位の「贅沢」。
8位「絶品」、9位「本格」、10位「プレミアム」、13位「本場の」、
14位「こだわりの」、19位「ごちそう」、20位「特選」など、
食品・調理の製法、位階・質の高さを表す流儀・様式の言葉が
上位に多く入ります。

3位「国産」、17位「厳選素材」は、
食品や素材の産地、自然性を表す言葉です。

5位「揚げたて」、6位「焼きたて」、12位「炊きたて」は
調理・製法に関わる言葉で、
出来立てのおいしさの時間価値を表しています。

料理の質感や豊かさを表す言葉では、「具だくさん」が7位に入ります。

情報系シズルワード トップ20

3領域の時系列変化

ここでは2023年~2026年までの
3年間の時系分析からト、レンドの変化を見ていきます。

味覚系の変化

「うま味のある」「ダシの効いた」が2トップ
「濃厚」はピークアウト、
「やみつき」「クセになる」はアップトレンドから成熟へ

2026年の1位は「うま味のある」。
これに続く「ダシの効いた」「コクのある」「コク旨」は、
この3年間、順位を入れ替えつつトップグループを維持している
味覚系を代表するシズルワードです。

「濃厚」は20年前には7位でしたが
徐々に順位を上げてトップグループ入り。
「濃厚」に近い言葉で、同じように順位を上げてきた「リッチ」とともに
味覚の濃厚/リッチ化を長くけん引し、
2018年頃をピークに横ばいが続いていましたが、
2023年の3位から2026年は7位へと、今年はやや順位ダウンです。

ただ、「濃厚」のピークは過ぎても、その周辺語の多彩化による
味覚の濃厚/リッチ化のトレンド自体はまだ継続していて、
「しみ込んだ」は、2023年の27位から2026年は18位へと
順位アップしています。

脳の働きでおいしさを感じる言葉
「やみつきになる」「クセになる」「飽きのこない」も
濃厚/リッチ化とともに順位アップを継続していましたが、
2023年をピークに横ばい~ゆるやかなアップへと転じています。

「風味豊か」「芳醇」の嗅覚に関わる言葉は
長期的にダウントレンドが継続しています。

味覚系のランキングの変化:2023~2026年

食感系の変化

「ジューシー」が不動のトップ
「ザク」はアップトレンド継続、 「サク」「カリ」は成熟へ
「口どけのよい」「クリーミー」がアップ

2026年の1位は「ジューシー」。
これに続く「もちもち」「サクサク」は
2023年~2026年の3年間の不動のトップ3です。

2023年~2025年は「もっちり」「とろける」がトップ5に入っていましたが、
2026年、下位からの入れ替わりで「口どけのよい」「クリーミー」
が5位6位に入ると、「とろける」は7位に順位ダウン。
同じ〈とろ〉系擬態語の「とろーり」も、
この数年のアップトレンドから、2026年は順位ダウンとなりました。

「口どけのよい」「クリーミー」「なめらか」な食感は、
この1-2年でアップしてきています。

噛んだ時の軽い食感を表すオノマトペはこの数年アップトレンドで
「サクサク」「サクッと」「カリッと」が大きくアップしてきましたが、今年は横ばい。
下位からの、「ザクザク」「ザクッと」の濁音擬音語のアップは継続しています。

拗音擬態語「ジュージュー」は、2024年をピークに順位ダウンです。

「こんがり」「ほくほく」など温かさを感じさせる言葉は、
この数年は順位ダウンが続いていましたが、今年は横ばいです。

食感系のランキングの変化:2023~2026年

情報系の変化

「季節限定」がトップ
「贅沢」「絶品」「本格」の〈流儀〉の言葉がピークアウト

情報系の1位は「季節限定」。
食材・素材の季節が限定されることの価値を表す言葉です。
長くダウントレンドが続いていましたが、
2020年を底にアップに転じ、2026年はトップになりました。

食材・素材の言葉は全体にダウントレンドが続いていましたが
食材の産地を表す「国産」、新しさの価値を表す「鮮度のよい」も
2026年は順位を上げています。

2位「贅沢」は食の〈流儀〉を表す言葉です。
2000年代に大きく順位を伸ばし、
2015年に初めてトップについてからはトップであり続けてきましたが
昨年の3位に引き続き、今年も2位となりました。

同じ〈流儀〉の言葉では、「絶品」「本格」「プレミアム」も
「贅沢」の後を追うように順位を上げていましたが、
同じように、この1-2年は横ばい~順位ダウンに転じています。

また〈流儀〉の言葉の中でも、「本場の」は、
2023年の21位から2026年は13位へと順位を伸ばしています。
「本場の」は、流儀・様式の高さを表すと同時に
食材の由来や産地性も含むことが影響したと考えられます。

調理・製法では、出来立てのおいしさの時間価値を表す
「揚げたて」「焼きたて」「炊きたて」が
2010年頃はトップ3を独占していましたが、
この数年は順位をやや落として、上位で順位を維持しています。

情報系のランキングの変化:2023~2026年

調査概要

調査方法 インターネット調査
対象者 15~69歳男女
調査期間 2026年5月15日~21日
サンプル数 1,800人
調査地域 全国
調査に使用した 食べ物に関する表現 507語
味覚系表現120語 食感系表現148語
情報系表現155語 感情系表現84語

報告書目次

商品仕様

報告書 1冊(160頁)
データCD 1枚

<データCD内容>
報告書PDF
クロス集計表(エクセル)
時系列データ(エクセル)
価格 165,000円(消費税込)

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